セッション内容
実用的なデジタルトランスフォーメーション
9:30–10:10
デジタルトランスフォーメーションをイニシアチブとしている組織は、実用的なプロジェクトへ移行しており、ハイレベルな目標を定義し、新技術の習得、馴染みがないグループとのコラボレーション、新しい製品やサービスの提案をしています。
この課題に対処するには、研究開発だけでなくライフサイクルに関わる組織全体でデータとモデルを体系的に使用することを習得する必要があります。 効果的なデジタルトランスフォーメーションは、人々のスキル、プロセス、テクノロジーの変化を計画することが不可欠です。
本講演では、実用的なアプローチを説明し、技術者と科学者のチームがデータとモデルを活用する方法を説明します。
MathWorks
Jim Tung
ダイハツ流パワートレーン開発での新しいデータサイエンス活用と展望
10:20–11:00
人工知能(AI)を活用した製品の開発を、様々な業界で行っている昨今、弊社の開発工程においてもAIの活用を推し進めている。本セッションでは、パワートレーン開発における開発工程の一部でのAI活用例を紹介する。一例として、従来、熟練技術者が判断していたエンジンの品質に関わるノッキング音のレベリング作業を、近年の音声処理、深層学習の技術を用いることで、自動でレベリング作業を行うことができる可能性が見えてきた。併せて、弊社のデータサイエンティスト人材育成の取り組みを紹介する。
ダイハツ工業株式会社
佐野 雅志
ダイハツ工業株式会社
熊谷 拓也
口元のエイジングケアの開発に向けたディープラーニングの活用
11:10–11:50
口元は顔の印象を左右する重要なパーツである。しかしながら、唇およびその周辺は加齢による変化が表れやすく、例えば、唇のボリューム感の減少や縦シワの目立ちなどは化粧品ユーザーにとって悩みの種となる。そこで我々は口元への加齢の影響を明らかとするため、画像情報を用いたデータ駆動型アプローチによる検討を行った。我々はこの検討を通して、お客さまが魅力的な印象を保つことが出来るだけでなく、リップメイクの可能性を拡げ、いつまでも自由なメイクを楽しんでいただける提案に繋げていく。MathWorksからは、本内容に関連する技術背景とMATLAB®の機能について紹介する。
株式会社コーセー
末松 健
MathWorks Japan
縣 亮
化学プラントにおけるソフトセンサー実装事例
13:30–14:10
弊社フッ素化学プラントで取り組んでいる、ソフトセンサー実装事例の紹介を行う。
ソフトセンサーとは、測定に工数がかかる濃度などのデータ、もしくは毒性がある等の理由で測定が困難な品質などをリアルタイムに計算、推測する技術である。
このソフトセンサー技術を活用して、危険を伴うサンプリング作業の工数削減に挑戦している。
機械学習による予測モデル作成、データベース(PI System)からのリアルタイムなデータ引き込み、及び予測値表示画面作成でMATLAB®を活用し、従来と比べ開発期間を1/10以下にした事例を紹介する。
また、ソフトセンサー活用が困難なケースを弊社の失敗事例を交えて紹介する。
ダイキン工業株式会社
伊與田 淳平
機械学習:“結果”を出した適用例と最新機能紹介
14:20–15:00
フリート解析やエネルギー需要予測、またはスマート工場化等において高い投資利益率をもたらす機械学習の適用例をご紹介します。加えて最新版MATLAB®の下記についてご紹介します:
- 機械学習モデル構築の一連の作業 (特徴選択、モデル選択、ハイパーパラメータ最適化等) を自動化するAutoML(Automated Machine Learning)の新機能
- 実装済みモデルのアップデートやC/C++コード生成などといった量産ワークフローに機械学習モデルを組み込む新手法
先行事例から機械学習の適用方法を学ぶことのできる、またとない機会です。是非お立ち寄りください。
MathWorks Japan
吉野 紘和
ディープラーニングによる生物音声認識ソフトウエアの開発
15:10–15:50
貴重な絶滅危惧種であるシマフクロウの生息調査は北海道の森林で鳴き声を手掛かりに行われる。調査効率化のため、環境音データから鳴き声を自動認識するソフトウエアをMATLAB®により開発した。従来の音声解析とAIを融合させたアルゴリズムにより高い認識性能を実現してシマフクロウ調査に活用し、他の生物への拡張も進めている。現在、環境アセスメントでの生物調査向け音声解析サービスを開始しており、富士通のAI技術「FUJITSU® Human Centric AI Zinrai(ジンライ)」の音声・音響処理技術として登録されている。本講演では認識性能向上により調査員の負担軽減と広範囲調査を実現した経緯を紹介する。
富士通九州ネットワークテクノロジーズ株式会社
斎藤 睦巳
DeepInsight法による非画像データへのCNN適用
9:30–10:10
ゲノム解析で使われるような、表現型や種別における小さな変動を検出することは重要であり難しいタスクです。大量のデータが利用可能な状態であっても、その遺伝子または要素からの情報はランダムに広がっているため、識別のために関連する特徴を抽出することは困難です。 このような場合、類似の要素をクラスターに配置すると、これらの特徴抽出がしやすくなり要素を個別に処理するよりも隠れたメカニズム(経路など)を確実に識別できます。 本講演では、非画像サンプルをよく整理された画像形式に変換するDeepInsight法を提案します。 これにより、GPUの利用を含む畳み込みニューラルネットワーク(CNN)を非画像サンプルにも適用できるようになり、必須の情報と有望な結果を示すための特徴抽出を可能にします。 私たちの知る限り、これは、CNNをさまざまな種類の非画像データセット(RNAシーケンス、母音、テキスト、および人工)に同時に適用した、初めての研究です。
理化学研究所
Dr. Alok Sharma
遠赤外線画像へのGANの適用と自律移動ロボットの制御
10:20–11:00
近年深層学習の進展はめざましく、与えられた特徴情報から画像等を生成する「敵対的生成ネットワーク」(Generative Adversarial Networks;GAN)が注目されている。GANを用いることにより大域的欠損画像の補填、モノクロ漫画の着色、馬をシマウマへ変換、存在しない人物画像の生成等が可能となっている。本発表では、GANのロボティクスへの応用事例として、GANの一種であるpix2pixによる遠赤外線画像の可視画像化及びセマンティックセグメンテーションについて述べ、知識蒸留によるアノテーションコストの低い学習手法、並びに自律移動ロボットの障害物回避制御について述べる。
防衛装備庁
丹羽 雄一郎
TensorFlowとMATLABによるAI・自動化技術の現場展開
11:10–11:50
三井化学では、機械学習技術を主とするAI技術活用による自動化技術開発に取り組んでおり、製造・販売・研究の課題に対して応用することで、省力化・効率化・定量性向上などの効果を挙げている。当初Python+Keras(TensorFlow) にて検討を行ったが、現場実装においては、特にユーザー利便性・メンテナンス性が課題であった。 MATLAB®を活用することで解決が得られ、工数を掛けること無く、効率的かつ確度の高い開発に繋げられるようになった。本講演では、現場実装における課題と、MATLABを用いた解決の実例について紹介した後、具体的な自動化事例について報告する。
三井化学株式会社
前川 真太朗
デジタルマーケティング分野におけるディープラーニング活用
13:30–14:10
世界中の消費行動をデータによって支えている「デジタルマーケティング」では、最適な消費行動を後押しする技術が盛んに研究されている。特に近年、インターネット上の各広告媒体は、独自の広告配信アルゴリズムを開発しており、年々その複雑さは増している。一方で、広告の配信者は、各媒体の配信アルゴリズムを把握・予測することにより、効率よく広告を配信することが可能になる。そこで本講演では、媒体アルゴリズムの裏側に迫り、インターネット広告のクリック数・購入数・広告費などの数字をもとにした将来予測をMATLAB®で開発しAWSへデプロイした事例を紹介。ディープラーニングの有効性及び汎用性について議論する。
株式会社ワンスター
斎藤 嘉人
人協働多軸ロボットのハンド技術開発における仮想開発環境の活用
14:20–15:00
京セラでは人協働ロボットを活用した労働力不足解消への取り組みを行っている。従来のロボットは特定作業に特化しており、人が行っているような多種多様な作業には不向きである。我々はロボットハンドに注目した。ロボットハンドは決まったプラットフォームがなく、試作して現場テストするには多くの工数が必要だ。そこで、仮想環境でロボットハンドとタスクの試作・検証環境ができないかと考えた。ロボットハンドの把持タスクでは、物体同士の接触モデリング、アーム軌道計画をMATLAB®最新機能で実現した。本講演では、人協働ロボットの仮想開発環境の要となる、多軸ロボットアームの軌道計画と把持シミュレーションの取り組みを紹介する。
京セラ株式会社
山岸 友樹
ドローンの運航・交通管理シミュレーション
15:10–15:50
2022年の本格商用利用が目標とされているドローンは、飛行数が旅客機よりも二桁以上多くなると予測され、人間に依存する従来の航空管制のアプローチは通用しない。ICTで高度に自動化された運航管理(UTM)の実現は、高い自由度とスケーラビリティが鍵となる。JAXAは、UTMシミュレータの研究開発を進めてきた。仮想空間上でUTM機能を試行・評価をするのが目的であり、MATLAB®並列計算機能を活用し、200機以上のドローンの高精度運動と運航管理ロジックを実時間で模擬する。未来のドローン交通流模擬や、外部UTMモジュール試作品と連接して現実空間と仮想空間ドローンを共通運航管理下で評価する実験等を実施した。
国立研究開発法人 宇宙航空研究開発機構
久保 大輔
自動運転実用化に向けたホンダの取り組み
9:30–10:10
自動車業界は100年に一度の大変革の時代と言われ、産業構造が大きく変わる可能性が有る。特に自動運転の実用化については、交通事故の削減に加えて、高齢者や過疎地域の移動手段の確保、バスやトラック等の職業運転手の高齢化や少子化の影響によるドライバー不足対応等、社会の期待が大きい。その一方で実用化にあたっては、技術的な課題の解決(競争領域、協調領域)、法制度上の課題の解決や社会受容性の対応が必要である。本講演では、現在ホンダが実用化に向けて取り組んでいる技術を中心に、自動運転実用化に向け官民連携による日本の取り組みを紹介する。
本田技研工業株式会社
横山利夫
ガスタービンエンジン制御用のマルチコアマイコン向けコード生成
10:20–11:00
近年、MBD 技術の進歩により、複雑システムを対象とした制御開発が可能となっている。これに伴い制御ソフトは大規模化し、リアルでの制御機能実現には処理能力の高いマルチコアマイコンへの実装を視野に入れた開発が求められつつある。マルチコア実装では、並列処理設計に伴う①処理性能の見積困難化への対策、②並列性バグ混入の排除が、手戻りを抑えた効率的開発のポイントとなり、上記課題を解決する開発手法が求められている。本講演ではその一例として、パワエレを含むガスタービンエンジンの制御開発事例を紹介する。本開発では従来のV字開発にマルチコアPILSとマルチコア対応自動コード生成を導入、試作ECUによる実機検証を実現した。
トヨタ自動車株式会社
池内 祥人
静止自立する二輪車の運動特性とその制御
11:10–11:50
二輪車は中速度域以上では乗って楽しく、エネルギー効率のよい乗り物である。しかし停止時や低速度域では扱いが難しい。その弱みである低速度域運動特性を車両構造と制御で補うコンセプトモデルMOTOROiDをモータショーで公開した。自立安定制御の実現に向けて、初期検討における簡易化した運動方程式の導出、システム同定による精緻な制御対象のモデリング、LQ最適制御の設計やシミュレーションと多くの場面でMATLAB®の力を借りた。また、社内外の技術者と連携する上でも共通言語であるMATLABは有益であった。本講演では、その内容について具体的事例を交えて紹介する。
ヤマハ発動機株式会社
土屋 光生
ライトニングトーク
12:00–13:30
ライトニングトークは、MATLABを使った面白いこと、そんなことにMATLAB?!という楽しい企画やネタをユーザの皆様や社員よりご紹介します。
また、ポスター発表では、MATLABを使用したプロジェクトをポスター形式で会期中いつでもご覧いただくことができます。参加者からの人気投票も予定しています。
ライトニングトークや、ポスター発表をご希望の方は、8月20日までにご応募ください。
モデル予測制御を用いた「上手い運転」を実現する自動運転制御
13:30–14:10
昨今、自動運転の実現に向けて多くの技術開発が進んでいる。我々はヒトの感覚に近い「上手い運転」を実現する自動運転の制御開発の検討を進めている。モデル予測制御(MPC)を用いて道幅を有効活用した目標走行軌跡を生成し、外乱や制御誤差に対する逐次修正による自然で滑らかな走行性能の実現を目指す。今回はアフォーダブルな製品化を目指して実装可能なアルゴリズムを構築すべく、操舵制御に特化したMPCによる目標走行軌跡生成の実現性、性能予測および設計手法を考察した。実車検討に先立ち、MATLAB®/Simulink®を活用したシミュレーションを通じて効率的に適正な評価を行い、MPC活用の方向性や課題を探る。
トヨタ自動車株式会社
入江 喜朗
センサーフュージョンによる大型重量物自動搬送車両の早期開発
14:20–15:00
日本車両は大型重量物搬送車両のトップメーカーとして様々なお客様の要求に応えた車両を開発納入してきたが近年、ドライバー不足により早期の搬送自動化が求められ、当社は大型AGV開発で培ってきた磁気ガイド誘導方式のMATLAB®モデルをベースに最新の自己位置推定技術を利用して走行路面の補修工事が不要な誘導技術の開発が急務となった。磁気ガイドレスで誘導するにはセンサーフュージョンによる自己位置推定が必須である。そこでMathWorksの技術コンサルティングを活用し、MATLAB/Simulink®とROS/Gazeboの連携による自己位置推定のチューニングにより自動誘導システムの早期開発に取り組んでいる。
日本車輌製造株式会社
小野田 朗
日本車輌製造株式会社
松永 高志
自律移動システムのためのセンサーフュージョンとナビゲーション
15:10–15:50
自律移動システムは認知、判断、計画の複合的な要素を組み合わせて実現する必要がある。このワークフローは自動運転や倉庫内搬送ロボット、無人航空機(UAV)を含む幅広いシステムにおいて重要である。このセッションではMATLAB®/Simulink®を活用してこれらのアルゴリズムをどのように設計、シミュレーション、実装するかを解説する。
- カメラ、LiDARおよびレーダーのセンサーフュージョン
- SLAMによる位置推定と地図生成
- 経路計画および障害物回避のナビゲーション
- Unreal Engine®連携による3Dシミュレーション
- NVIDIA® Jetson®やPixhawk®などへ実機実装
MathWorks Japan
草野 駿一
ライトニングトーク
16:00–16:30
ライトニングトークは、MATLABを使った面白いこと、そんなことにMATLAB?!という楽しい企画やネタをユーザの皆様や社員よりご紹介します。
また、ポスター発表では、MATLABを使用したプロジェクトをポスター形式で会期中いつでもご覧いただくことができます。参加者からの人気投票も予定しています。
ライトニングトークや、ポスター発表をご希望の方は、8月20日までにご応募ください。
MATLAB and Simulink 最新情報
9:30–10:10
R2019bから導入されたMATLAB®/Simulink®およびアドオン製品の主な機能拡張・改善点について紹介します。プログラミング、モデリング、シミュレーション、テストに役立つ機能や AI・自動運転に代表されるアプリケーション関連機能について取り上げます。
MathWorks Japan
山本 順久
新トポロジーACDCコンバータのMBD手法を用いた開発事例
10:20–11:00
ローム株式会社では、モデルベースデザインをIC開発に合わせた環境として組み込んでいる。本講演では小信号処理IC担当の技術者が新トポロジーの共振PFCをアイデアからプロトタイプまでMBD 手法を使って実現した事例を紹介する。Simulink®で仕様設計、検証を行い、デジタル部はHDL Coder™を使ってFPGAにインプリした。プロトタイプボードでは狙った特性が得られている。
ローム株式会社
浜地 健次
Simscapeを活用したSCiB伝熱シミュレーション
11:10–11:50
自動車、鉄道、産業用途でリチウムイオン電池SCiB™の適用が拡大している。所望電圧、電流となる複数のリチウムイオン電池セルを直並列に配線、ケースに収納することで、電池モジュール/パックを構成する。リチウムイオン電池セルは、充放電を繰り返すと発熱、温度が上昇するので、保護の観点から、上限温度以下で動作させる熱マネジメントが必須である。また、電池セルは、温度と用途によって容量減少や内部抵抗上昇など劣化の仕方が異なる。安心・安全かつ長寿命な電池システムを提供するには、熱マネジメントと、モジュール/パック内の温度分布の把握が重要である。講演では、Simscape®を活用したSCiB™の伝熱シミュレーションの事例を中心に紹介し、熱マネジメントの一例として自然放熱・液冷の事例も簡単に紹介する。
東芝インフラシステムズ株式会社 近藤 敦美
ライトニングトーク
12:00–13:30
ライトニングトークは、MATLABを使った面白いこと、そんなことにMATLAB?!という楽しい企画やネタをユーザの皆様や社員よりご紹介します。
また、ポスター発表では、MATLABを使用したプロジェクトをポスター形式で会期中いつでもご覧いただくことができます。参加者からの人気投票も予定しています。
ライトニングトークや、ポスター発表をご希望の方は、8月20日までにご応募ください。
これからのモータ制御システム構築 ~ 産学連携の開発事例 ~
13:30–14:10
モータは家電製品,自動車をはじめ多くの製品に使用され,高性能化と高効率化のために,高度な制御が行われている。また,信頼性の向上,コスト削減のために,センサレス制御が利用されている。これらの製品の制御アルゴリズムの有効性や動特性,外乱やノイズによる影響などの評価は,シミュレーションによる評価が有用である。また,システム設計や評価ができる技術者の育成も重要な課題になっている。本講演では,研究室のシミュレーションとの関わりについて紹介し,これまでに多くの企業と研究開発した製品の開発事例を紹介する。開発はモデルベースで行い,開発過程におけるMATLAB®/Simulink®の利用法や評価を紹介する。
静岡理工科大学 総合技術研究所 高橋 久
車載ECU周辺回路の故障注入のシミュレーション検証技術
14:20–15:00
機能安全規格(ISO26262)に基づく車載制御コントローラ(ECU)の検証において、ASIL-C以上では故障注入テストにより安全性が侵害されないことの検証が強く推奨されている。ECU回路故障を仮想環境で検証するための技術として、Simscape Electrical™で作成した回路モデルと実行可能形式のソフトを含むマイコンシミュレータによる協調シミュレーション環境を構築した。講演では、弊社での適用事例を含めて紹介する。
日立オートモティブシステムズ株式会社 深野 善信
セキュアコーディングを実践する
15:10–15:50
現代のインターネットには、PC やサーバ以外にネットワーク家電やいわゆる産業機器制御システム、医療機器なども接続されている。このような機器のソフトウェアには、通常は有り得ないような状況でも問題なく動作すること、つまり、セキュアなソフトウェアであること、が求められる。セッション前半は、JPCERT/CC から、講演者が日々接している脆弱性事例の紹介をはさみつつ、セキュアなソフトウェア開発のためのセキュアコーディングと、セキュアコーディングを実践する際に検討すべき点について述べる。セッション後半には、マスワークスより組込みソフトウェアのセキュリティに関するソリューションを紹介する。
一般社団法人JPCERTコーディネーションセンター 戸田 洋三
MathWorks Japan 田中 康博
Lumada-MATLAB連携によるIoTソリューション構築
9:30–10:10
日立は、LumadaのIoTプラットフォーム活用によるOT x ITの強みを生かしたデジタルソリューションの展開を加速させるため、MATLAB®/Simulink®とROS、Node-RED(ビジュアルプログラミングツール)を連携したIoTソリューション構築環境を開発した。マスカスタマイゼーション時代に向けて自動化・省力化が求められている工場内物流をユースケースに、OTに必要な高度な物理モデリングや制御ロジックと、ITを活用した業務管理システムを連動させ、NVIDIA®社JetBotを貨車に見立てた約1/100スケールの自動管制デモシステムを迅速かつ容易に実現できることを実証した。
株式会社日立製作所
兵頭 章彦
革新的な乳がん用超音波診断装置 "リングエコー"の開発
10:20–11:00
乳がんは早期に発見すれば生存率が非常に高いにもかかわらず、既存の検診手段のマンモグラフィ検査には痛みや被曝、高濃度乳房で精度が下がる、といった課題があります。乳がんの早期発見のため、Lily MedTechでは現在の課題を解決する新しい装置“リングエコー”を開発中です。本装置はリングアレイで送受信を行い断層撮像をするもので、収集した超音波データから散乱輝度の分布を画像化することで、既存エコー装置では撮れない情報の取得が可能です。MATLAB®を使用してGPU並列画像化処理をアルゴリズム開発、実装を行っており、講演ではその取り組みを紹介します。
株式会社Lily MedTech
東 隆
FPGA回路規模の見積もり精度向上と実機デバッグの高機能化
11:10–11:50
FPGAを使用した製品開発では、初期段階で実装に必要な回路規模とレイテンシのトレードオフを検討し、高い精度で見積もる必要がある。しかし抽象度の高いシミュレーションから、これらを正確に見積もる事は難しく、開発工数増加の原因になっていた。弊社においてHDL Coder™を導入し、シミュレーション担当者と実装担当者のコミュニケーションを改善した事例を紹介する。
また、デバッグのために必要となった高機能なデータロガーを、安価なFPGA評価ボードを用いて短時間で構築した事例も紹介する。このデータロガーはLAN接続でMATLAB®から直接操作できるため、実験データの可視化が高速かつ容易になった。
株式会社YDKテクノロジーズ 秦 直哉
医療機器開発におけるMBD導入プロセス
13:30–14:10
医療機器開発におけるMBD 開発プロセスの0からの導入について、取り組みを紹介する。ソニー・オリンパスメディカルソリューションズ株式会社では創立以来、外科用イメージングシステムの開発を行っている。弊社は名前が示す通り、OlympusとSonyの合弁会社としてスタートしており、2つの会社から様々な技術が供給されている。異なる文化から供給される技術を統一的に検討・評価できる環境、様々なアーキテクトへの実装の順応性が求められ、新しい開発手法を模索・検討していく中で、解決策としてのMBD手法への期待、社内での環境構築について、"0"からスタートした取り組みを紹介していく。
ソニー・オリンパスメディカルソリューションズ株式会社 水上 聡
内視鏡ビデオプロセッサ開発におけるMBD適用事例報告
14:20–15:00
モデルベースデザイン(MBD )は、自動車業界で広く一般的に用いられており、大規模かつ複雑なシステム開発において必須の開発手法と言われている。近年、MBDによる開発は、自動車業界だけではなく複雑化する医療機器開発においても適用が広まりつつあり、2016年には米国食品医薬品局(FDA)がその有用性について言及するに至っている。このような状況を鑑み、オリンパスでは、医療用内視鏡システム開発の品質及び効率向上を目指し、MATLAB®/Simulink®を用いたMBD適用の効果、課題を明確にするための様々な検討を行ってきた。本講演では、主に内視鏡ビデオプロセッサ開発へのMBD適用事例について紹介する。
オリンパス株式会社
佐藤 朋也
最新のモデルベース技術で実現するロボットアームの開発と自律化
15:10–15:50
モデルベースデザインの適用範囲は拡大しています。背景には、モデルベース技術のノウハウの蓄積、ツールの機能改善、ハードウェアの性能改善など様々な要因が挙げられます。
本セッションでは、ロボットアームの開発にフォーカスをあて、最新のソリューションを紹介します。
- 制御システムの開発に使うRobotics System Toolbox™
- アームおよび対象物の接触及び弾性を考慮したシミュレーション
- 強化学習をはじめとしたロボットおける自律アルゴリズム開発との統合
MathWorks Japan
小林 昇洋